高齢期のデグーの食事について


今日は、高齢デグーにおけるチモシー(牧草)の選び方と与え方のポイントをご紹介します。要点としては、①高品質な草(チモシーまたはメドーヘイ)を常時無制限に供給すること、②繊維質の多い「セカンドカット/サードカット」を選ぶこと、③デグー専用のシニア向け製品はほとんどないため、ウサギ用のシニア向けチモシーを参考にするなど工夫すること、④色や質(緑色やカビ)は避け、茶褐色で香りの良いものを選ぶこと、⑤体調・歯の状態や体重変化を獣医師と相談しながら与えること――が挙げられます。


高齢デグーの栄養的背景

ライフステージと必要な牧草量

  • デグーは本来の寿命が6~8年程度と言われ、高齢期(シニア期)は5歳前後から始まると考えられます。高齢期も含め、食事の70%以上を草(チモシーなど)でまかなう必要があります。

  • 繊維質豊富な牧草は消化管の健康を支え、歯を適切に擦り減らす役割も果たします。

糖分過多・たんぱく質過多のリスク

  • デグーは糖尿病にかかりやすく、アルファルファ(ルーサン)ヘイはたんぱく質・カルシウムが多いため、チモシーを主体にすることが推奨されています。


チモシーの切り方(カット)とシニア向けの工夫

カット別の特徴

  • ファーストカット(Coarse/First):茎が太く硬めで繊維質は多いが、口当たりは硬め。

  • セカンドカット(Medium/Second):茎と葉のバランスが良く、たんぱく質・繊維の中間的な特性。

  • サードカット(Soft/Third):葉が多く柔らかめで高齢個体や歯の伸びすぎで硬いものが苦手な子向き。

シニア向けウサギ用チモシーの参考例

  • ウサギ用の「シニア用チモシー配合飼料」は、消化器ケア・筋肉維持のために高繊維、適度な蛋白質、抗酸化成分を配合した製品があります。

  • こうした製品をデグーにそのまま与えることは避けますが、配合バランスのヒントとしてセカンド/サードカット主体のものを選ぶのは有効です。


デグー向けチモシー選びのコツ

色・匂い・保管状態

  • 良質なチモシーは茶褐色で、青々しすぎる(緑色)は若葉過多で消化不良を招く恐れがあるため避けます。

  • ピンクや白の斑点はカビの兆候なので廃棄し、乾燥した風通しの良い場所で保管することが重要です。

風味・バラエティの提供

  • 同じチモシーだけでなく、メドーヘイ(牧草ミックス)やオーチャードグラス(アルファルファより低たんぱく)を混ぜて提供すると、嗜好性向上や拾い食い防止になります。


注意点と獣医師への相談

  • 高齢期は噛みにくさや歯根の問題で牧草摂取量が減少しやすいため、体重減少・便の質(サイズ・固さ)・食欲低下を定期的にチェックし、獣医師に相談しましょう。

  • 万一摂取量が著しく落ちた場合、粉砕して柔らかくしたペレットや、ヤギミルクなどで一時的にカロリー補給する対策が紹介されていますが、長期的には歯科的治療や栄養指導が必要です。


まとめ:チモシーはデグーの主食であり、特に高齢期には「繊維質が豊富でかつ柔らかい」セカンドカット~サードカット主体のものを常時無制限に供給すると良いでしょう。デグー専用のシニア向けチモシーはほぼ存在しないため、ウサギ用シニア製品の配合バランスを参考にしつつ、変わり種の牧草も取り入れて嗜好性を保つ工夫が大切です。体調変化は早めに獣医師へ相談し、健康管理を行ってください。


参考資料:

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