デグーの15種類の鳴き声と本当の気持ち【完全ガイド】
デグーは非常に社交的な齧歯類で、さまざまな鳴き声で仲間とコミュニケーションを取ります。研究によれば、デグーは最大で15種類もの異なる声を使い分けることがわかっています。これらは「Whine(すすり泣き)」「Groan(うなり声)」といった英語で分類されていますが、以下ではわかりやすい日本語の擬音語とともに、状況や感情を解説します。
デグーの鳴き声の種類
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Whine(すすり泣き声)
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Groan(うなり声)
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Chaff(からかい声)
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Warble(甘えたさえずり声)
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Chirp(チューチューと短く鳴く声)
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Chitter(さえずり声)
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Wheep(警戒・驚きの高い鳴き声)
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Squeal(キーキーと大声で鳴く声)
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Pip(小さく短い不満音)
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Grunt(低いブーブー音)
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Bark(吠えるような声)
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Tweet(やさしいさえずり声)
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Trill(母性を示す震える声)
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Loud Whistle(大きな口笛状の鳴き声)
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Low Whistle(小さな口笛状の鳴き声)
以下、それぞれの鳴き声について、日本語の擬音語とともに詳しく説明します。
Whine(すすり泣き声)~「キューキュー、クークー」
Whine は「キューキュー」「クークー」といった、やや甘えた引き伸ばした声です。口を少し開いて鳴くことが多く、仲間との物理的な距離が離れたときや餌の争いの場面でしばしば使われます。この声の意味は「警告・不快の表現」であり、相手を「これ以上来ないで」「不満だ」という軽い警告のサインです。英語の「whine」は嘆くような意味合いですが、日本語では「キューキュー」と聞こえる高い鳴き声と表現します。
Groan(うなり声)~「ウーッ、キュー」
Groan は「ウーッ」や「キュー」といった、やや低く不機嫌そうな声です。しばしば口を大きく開けて、耳を後ろに引いて鳴きます。仲間と争いごとが起こるときや一触即発の場面で聞かれ、Whine のあとによく続いて出現します。意味は「強い警告・威嚇」で、相手に「本気で怒っているぞ」「これ以上近づくと攻撃するぞ」と伝える効果があります。
Chaff(からかい声)~「チッチッキッキッ」
Chaff は「チッチッキッキッ」と、小刻みでこもった音が連続する声です。口を少し開けて鳴き、仲間から少し距離があるときに使います。興味深いのは、この声がかかると相手が近づいてくる傾向がある点で、「こっちにおいで」「おいでおいで」と呼び寄せるために鳴かれるとも考えられます。雰囲気は軽くからかうような声なので、日本語では「チッチッキッキッ」と表現します。
Warble(甘えたさえずり声)~「チッチッ、キッキッ」
Warble は「チッチッ、キッキッ」と節をつけたような高いトーンのさえずりです。口を少し開けて尾を揺らしながら出すことがあり、仲間に対して喜びや興奮を表します。遊びの合図や嬉しいときの声とも言われ、聞いている他のデグーも尾振りや「チチチ」と応えて遊びモードになることがあります。英語でwarbleはさえずりですが、日本語では「チッチッ、キッキッ」のような甘えた音です。
Chirp(チューチュー声)~「チチチ、ククク」
Chirp は非常に短く高い「チチチ」「ククク」という音です。通常3回ほど続けて鳴き、Whine や Groan、Tweet などと組み合わせて使われます。目立った体の動きは伴いませんが、仲間とすれ違ったり距離が離れた場面で聞かれます。鳴いても即座に影響は見えませんが、研究では「Chirp」が出ると仲間同士のいさかいがやや収まる傾向が示唆されています。つまり、怒りを沈める「愛想笑い」のような効果があるかもしれません。英語では「チューチュー」と鳥の鳴き声のように訳されますが、デグーの場合は「チチチ、ククク」と表現するとイメージしやすいでしょう。
Chitter(さえずり声)~「ピピピ、チチチ」
Chitter は「ピピピ」「チチチ」と連続する柔らかいさえずりです。顔をくっつけるような親密な挨拶や鼻先でつつき合う仲間同士がよく発します。会話の前置きのように仲間同士がさかんに交わし合い、受け手も同じ音で返すことがあります。意味合いとしては「こんにちは」「一緒に遊ぼう」のような社交的な挨拶の音で、グルーミングや再会時にデグーの絆を深める役割があります。日本語では「ピピピ、チチチ」のような軽快な音で表現されます。
Wheep(警戒声)~「チッチッ」
Wheep は「チッチッ」という、非常に甲高く響く音です。大きく口を開けて鳴き、耳を寝かせた姿勢で出すことが多いです。ほとんどの場合、外敵や突然の物音など危険・警戒の状況で使われ、一呼吸置いて群れの他のデグーが一斉に隠れたり固まる反応が起こります。直訳すると「キー」と鋭く聞こえるため、英語では“alarm call(警報)”とも言われます。日本語では「チッチッ」と表現しますが、緊張感が強い鳴き声です。
Squeal(キーキー声)~「キーキー、ピーピー」
Squeal は「キーキー」「ピーピー」という、長く伸びる鋭い高音です。開口して強い張り声で鳴き、仲間の警戒が続くときに重なるように聞かれます。使用場面は成獣でもよく、縄張り争いやケンカ、逃避時など緊張の高まる局面です。意味合いとしては「痛みや驚き」の表現で、歯を折り合わせながら逃げるときや捕まったときにも出る、ほとんど反射的な鳴き声です。威嚇というより苦痛のサインで、聞いた仲間もすぐに逃げたり警戒行動に移ります。擬音では「キーキー」「ピーピー」と書かれます。
Pip(チッチッ)
Pip は「チッチッ」と非常に短く鳴く声です。主に親による子グルーミング中や子育ての場面で出ます。母親やグルーマーが子の体をくまなくなめていると、子どもは気持ち良すぎたり反対にちくちくする部位があると「チッチッ」と鳴いて注意を促します。要するに、「そこをもう少し優しく」「それ以上やらないで」という軽い不快・不満を示す声です。英語では「ピップ」音ですが、日本語では同じ「チッチッ」で表現します。短く可愛らしい声で、親子のコミュニケーションに欠かせません。
Grunt(ブーブー唸り声)~「ジッジッ、ウィー」
Grunt は「ジッジッ」や「ウィーッ」という低い唸り声です。口を開けて粗い音を繰り返し、Whine や Groan の流れで重ねて出すことが多いです。主にオス同士や親しいメス同士の争いの際、仲間に向かって威嚇的に使われます。鳴かれると相手は身を引く傾向があるため、「ここから離れろ」という強い警告の意図が込められています。擬音は「ジッジッ」と書かれ、低音が続く感じで表します。
Bark(吠える声)~「キッキッ、ギギギ」
Bark は「キッキッ」あるいは「ギギギ」と聞こえる、繰り返し鳴く大きな声です。口を大きく開け、耳を寝かせて連続して鳴き、発情後のオスやテリトリー内のメスがよく発します。その声が響くと周囲のデグーは一瞬静止して警戒態勢に入ります。意味合いとしては、特にオスの交尾後に「これは俺の縄張りだ」と宣言する威嚇や、メスによる「周囲に注意を促す」合図とされています。犬の吠え声とは違いますが、強い意思表示なので日本語では「キッキッ」と短い音を連打する擬音に近いでしょう。
Tweet(やさしいさえずり声)~「チッチッチッ」
Tweet は「チッチッチッ」という柔らかいさえずり声です。口を少し開けて短く鳴き、仲間と離れているときや、上に乗られて嫌がっているときなどによく使われます。効果はあまり目立ちませんが、相手に「離れてほしい」「嫌な気持ちだ」という意思をやんわり伝えると考えられています。英語のツイート(鳥のさえずり)に似たイメージですが、デグーの場合は「チッチッチッ」と言った感じで、優しくも少し不満げな響きです。
Trill(母性を示す声)~「ククク、クゥクゥ」
Trill は「ククク」あるいは「クゥクゥ」と震えるように鳴くソフトな声です。はっきりはわかっていませんが、主に母親と赤ちゃんの間で使われるとされています。調査では、哺乳期のメスが子どもに対してだけこの声を出し、子が安心する効果があると推測されています。つまり「おいで」「そばにおいで」というような、子を落ち着かせる優しい子守歌のような音です。日本語では「ククク」や「クゥクゥ」と、喉で転がすような音で表現すると雰囲気が近いでしょう。
Loud Whistle(大きな口笛声)~「ピーッ、キーッ」
Loud Whistle は「ピーッ」や「キーッ」という、大きく高い口笛のような声です。開口して響かせる音で、子どもが巣から離れて遊んでいるときや親と離れて取り残されたときによく使われます。その声は親や仲間に届き、実際に母親などが寄ってきて子供を迎えに行くことが多いとされます。つまり、英語で言う「distress whistle(危険信号の笛)」で、迷子になりかけた子が助けを呼ぶ声です。日本語では「ピーッ」や「キーッ」と擬音しますが、鋭い切り声といったイメージです。
Low Whistle(小さな口笛声)~「クックッ、クゥー」
Low Whistle は「クックッ」や「クゥー」といった、控えめな口笛のような声です。特に生まれたばかりの子デグーが親と連絡を取るために断続的に鳴く声で、誕生直後から2週齢ほどまで頻繁に聞かれます。用途はLoud Whistleと似ており、親に「ここにいるよ」と居場所を知らせる意味合いです。声は小さく甲高いので日本語では「クックッ」や「クゥー」と書きますが、Loud Whistleよりもっと短い音です。
参考文献:
